口約束の贈与は有効か?

相続ブログ

「Aさんに〇〇あげますね♪」ということは、冗談も含めてよく聞きます。
では、口約束の贈与については、有効なのでしょうか?

贈与とは?

贈与とは民法に記載されている法律行為です。
「当事者の一方が自己の財産を無償で相手に与える意思を表示し」「相手方が受諾をする」ことにより法的拘束力を持ちます。

簡単に言うと「これあげますね」「え?もらえるの??ありがとう。」という合意だけで成立する契約です。
贈与する目的物の交付を必要とせず、当事者間の合意だけで成立する諾成契約というものです。

口約束の贈与で気を付けること

口約束での贈与は注意が必要です。それはどちらか一方の意思だけで、契約の解除ができるからです。民法第550条では
「書面によらない贈与は、各当事者が撤回することができる。ただし、履行の終わった部分についてはこの限りではない」と規定されています。

例えば「この骨とう品あげるね」と口約束したが、気が変わったのでやめる、ということもできます。しかし既に贈与してしまった場合は、「後から無し」とは言えません。

口約束の場合、贈与した日は、いつ?

口約束での贈与では贈与日は、贈与が履行された日となります。
例えば2022年に父親から口頭で、現金をあげると言われていました。そして実際受け取ったのは2023年だったとします。
その場合、贈与日は実際に現金をもらった2023年です。
口約束は有効な契約ではありますが、まだ贈与は成立していないのです。
簡単に言えば口約束で「プレゼントあげます」と言われた場合、口頭での贈与日は実際にプレゼントをもらった日となります。


口約束の贈与と書面による贈与の違い

口頭による贈与と書面による贈与は大きく2点の違いがあります。

  1. 口約束の贈与は履行前ならいつでも撤回できる
  2. 財産取得の時期が異なる

口約束した場合の贈与は書面による贈与に比べて拘束力が低いという特徴があります。

贈与は有効ですが、当事者間で簡単に撤回ができます。そのため、後々トラブルに発展する可能性もあります。
トラブルを回避するためにも贈与契約書を作成し第三者からもわかるよう書面を残しておきましょう。


まとめ

口約束の贈与は有効ですが、当事者間で撤回も簡単にできます。
有効ではありますが、後々トラブルに発展する可能性もあります。
トラブルを回避するためにも贈与契約書を作成し第三者からもわかるよう書面を残しておきましょう。

当事務所では、「相続の準備」について何かできることはないか?アンテナを張って日々動いています。
贈与も相続の対策として活用できます。
今の自分の状態はどうなのだろう?一番自分がいいと思う形で次の世代へ財産を引き継ぐには?等
不明な点がある場合は、一度専門家に相談することをおすすめします。

当事務所は「相続の準備」により一人一人の状況に合わせてサポートいたします。
大阪だけでなく、全国のご相談にも対応しております。

執筆:遠山真由美(大阪市北区)
(税制は投稿時点のものになりますので、ご注意ください)

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