相続税はどのくらいの人が申告しているのか?(令和4年分)

相続ブログ

相続税申告の統計データのまとめです。
国税庁より毎年、相続税申告実績の概要について発表されています。
今回は、令和4年分 相続税申告の実態 をみてみましょう。

相続税の実態 その1 亡くなった方のうち約9.6%が相続税申告を行っている

相続税の申告をしている人の割合

令和4年度は、年間で亡くなった方(被相続人)は1,439,856人でした。過去最高だった令和3年(143万9,856人)を上回ります。
このうち相続税の課税対象で申告を提出している被相続人数は15万858人で、前年13万4,275人に比べ12.4%増となっています。
亡くなった方の全体の内、9.6%の相続で申告義務が発生(前年から0.3%増加)しています。
令和4年分 相続税の申告事績の概要

平成26年から27年で申告者数の割合が4.4%から8%へ急増しました。
これは2013年度(平成25年度)の税制改正で相続税の基礎控除が大きく引き下げられたことによります。
改正前は5,000万円+法定相続人の人数×1,000万円でしたが、改正後は3,000万円+法定相続人の人数×600万円となりました。
例えば相続人が4人いる場合、相続税の基礎控除は9,000万円から5,400万円に減ってしまったのです。

そのため平成27年(2015年)の全国の相続税の課税割合は4%台から一気に8%台へ上がりました。その後、令和2年(2020年)までの6年間は8%台で推移していましたが直近の令和3年分から9.3%まで上昇、令和4年度はその上をいく9.6%となり直近10年間で最高の割合となっています。

ちなみに、全国的に不動産価格が高い東京国税局管内(千葉・東京・神奈川・山梨)についての課税割合をみると15%です。
亡くなった方のうち、なんと100人中15人が相続税の申告が必要となっています。

課税価格及び税額の増減について

相続財産から、債務葬儀費用等を差し引いた課税価格は20兆6,840億円で前年比11.3%増加、
税額は2兆7,989億円で前年比14.6%増加しています。

相続税の実態 その2 相続財産は現預金の保有選好が強い

相続財産の金額の構成比は、現金・預金34.9%(前年34%)土地32.3%(前年 33.2%)、有価証券16.3%(前年16.4%)の順となっています。ここ数年で現預金の構成比が土地を抜きトップとなりました。

土地の構成比の低下は、高齢者の現金・預金は保有しておきたいという考えが依然強く、財産全体のウエイトを増していることに加え、全国の土地価格が下落傾向である状態がここ数年続いていたことが影響していると考えられます。


また、最近では不動産を残すと相続手続きが難しいと考えている方も増えてきました。そのため生前の整理の際に未利用の土地等は事前に売却し、現預金を相続させるように動いている方もいらっしゃいます。

まとめ

今回は、相続税の申告件数や相続財産の金額の構成比の推移についてお伝えしました。
相続税の申告件数は基礎控除の引き下げがあった税制改正以降、大幅に増えています。
そのため相続対策は何より事前の準備が大切になります。

相続税や贈与税について不安に思うことや疑問に思うことがある方は一人で抱えず、一度専門家へ相談してみるのがいいでしょう。

執筆:遠山真由美(大阪市北区)
(税制は投稿時点のものになりますので、ご注意ください)

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