相続税の申告状況について(令和5年分)

相続ブログ

国税庁が発表した「令和5年分 相続税の申告事績の概要」をもとに、最新の相続税申告状況をまとめました。

相続税は 約10人に1人が課税されています!

日本でどれくらいの方に相続税が課税されているのでしょうか?
厚生労働省の人口動態統計による令和5年の死亡者数(被相続人)は、1,576,016人でした。

このうち相続税の申告を提出した被相続人数は155,740人で、いずれも前年より増加しており、過去最多を更新しました。
相続税の対象になる割合については亡くなった方のうち9.9%にあたり、10人に1人が相続の申告対象です。

 

相続税が課税される人数は平成27年に約2倍に急増!

平成27年は相続税の基礎控除が大きく引き下げられた年でした。
それまでの基礎控除は「5,000万円+1,000万円×法定相続人の人数」でしたが
「3,000万円+600万×法定相続人の人数」となり 平成27年に相続税の対象者が急増したことがわかります。

平成27年以降は、相続税の課税対象者数は増え続けており今後も増加傾向といえます。

相続税が課税された被相続人のうち6割の方が課税価格(財産)は1億円以下

相続税が課税されたうち6割の方の課税価格が1億円以下でした。
課税価格とは相続税の対象となる財産価格のことです。

平成27年までは、相続税と聞くと社長や地主さん?というイメージでしたが、
平成27年に基礎控除が大きく引き下げられたことにより会社員の方でも相続税が身近になってきました。
ひとつの要因としては、相続が多く発生している70代以降の方については、会社員を定年まで勤め、退職金を運用し1億円以上の財産をお持ちの方も多いことがあげられます。

都道府県トップは東京都 続いて愛知県、神奈川県

相続税の課税割合がもっとも高かったのは、東京都で18.9%で前年18.1%から0.6ポイント上昇しました。
続いて愛知県で15.5%、神奈川県で14.9%でした。

47都道府県の内、10%を超えたのはこの1都1府8県でした。
不動産の価格が高い地域や人も会社も多い首都圏に集中しています。

課税割合トップ10 都道府県(上位3位までは赤色

財産の構成比 相続財産の7割が現預金と土地・家屋

国税庁が公表する令和5年分の相続財産の金額の推移をみると、相続財産の合計が227,107億円に対し、現金は79,633億円
土地は71,425億円・家屋は11,452億円でした。
現金と土地・家屋で相続財産全体の7割を占めています。

相続財産の構成比 はここ10年変わらずで現預金と土地が多い

相続財産の構成比については、ここ10年大きな変化はありません。
少しずつ土地・家屋が減少していますが、相続前に売却し現金化する方も増えているようです。

被相続人一人あたりの相続税額 は1,930万円

被相続人一人あたりどれくらいの相続税を支払っているのでしょうか?
国税庁の資料によると、全体の税額が30,053億円に対し、被相続人が155,740人のため
被相続人一人あたり1,930万円です。
もちろん相続税の申告を提出した全ての方がこれだけの税額を支払っているわけではありません。
相続税は10%~55%の超過累進課税制度のため、一部の富裕層が納めた高額な税金により平均が
引きあがっていると思われます。
ただ、相続税は亡くなってから10ヶ月以内に現金で一括納付が基本となるため、納税資金の準備も
計画的にすすめていく必要があります。

まとめ

国税庁が発表した「令和5年分 相続税の申告事績の概要」に基づき相続税の申告状況についてまとめました。
生前に相続税がかかるかどうか?を把握し適切な対策をすることで相続税の負担を軽減できる可能性があります。
相続の準備や対策 相続税の手続きの両面から専門家に相談することをおすすめします。

執筆:遠山 真由美(大阪市北区南森町)

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