相続税評価などの基準となる土地の価格「路線価」令和7年分が2025年7月1日に国税庁サイト上で公表されました。
路線価とは?
路線価とは道路に面した宅地1㎡あたりの価格を示したものです。
評価時点は、毎年1月1日で相続税や贈与税の土地評価に使われます。
そのため毎年注目が集まりまっています。
令和7年分の主なポイント
全国約31万5千地点の平均は昨年に比べ2.7%上昇しました。3年連続で前の年を上回りました。
上昇率は、2010年以降で最も大きな上昇幅となっています。
●上昇:35都市 ●横ばい:11都市 下落:1都市(鳥取市)
この背景にはいくつかの要因が絡み合っています。
なぜ路線価が2010年以降最大の上昇幅になったのか?
1.都市開発とインフラ整備の加速
・東京・大阪・福岡などで国家戦略特区を活用した再開発の加速
(例:虎ノ門麻布台ヒルズ・天神ビックバンなど)
・容積率緩和により土地の収益性の向上
2.訪日外国人旅行需要の爆発的回復
・2024年の訪日外国人数は過去最多の3411万人
・白馬村(+32.4%)や富良野(+30.2%)など観光地の地価が急騰
・外国人による宿泊施設や別荘への都市が活発化している
3.ホテルや観光施設の開業ラッシュ
・観光地や都市部でホテルや宿の新設・再開発がすすみ商業地の収益が向上
(沖縄、京都、札幌などで宿泊・飲食業の売り上げ増加が確認されている)
4.円安と外資マネーの流入
・円安により日本の不動産が割安に見える状況が続き 海外投資家の参入が加速
(特にリゾート地や都心部の物件に対する需要が地価を押し上げています)
このように2025年の路線価上昇は、「経済」だけではなく「制度の変更」「観光」「国際情勢」が絡み合った結果ともいえます。
最高路線価は?
路線価が全国で最も高かったのは、昭和61年分以降、40年連続で東京都銀座五丁目の文具店「鳩居堂」前の銀座中央通りです。
1㎡あたり4,808万円で、去年を384万円上回りました。
関西で一番高い 路線価 はどこ?
関西地域について、最高路線価は、下記のとおりです。
1位 大阪市北区角田町(阪急梅田本店前) 1㎡あたり2088万円
1984年以降42年連続の最高額でした。
商業・観光・交通の中心地として不動の地位を維持しています。
2位 京都市下京区四条通寺町(四条通) 1㎡あたり832万円
観光地としての人気が再燃し訪日外国人旅行需要の回復が大きく影響しています。
3位 神戸市中央区三宮町(三宮センター街) 1㎡あたり584万円
神戸最大の繁華街で、再開発や観光需要の回復が評価を押し上げています。
まとめ
今回は7月に発表された路線価についてまとめました。
路線価は相続や贈与時の土地評価の基準となるものです。
先代から受け継いだ土地や購入された土地がどれくらいの評価額なのか?現時点で確認してみるのもいいかもしれません。
どうすれば自分が一番よいと思う形で不動産を引き継ぐことができるか?
準備できることは、沢山ありますので一度専門家に相談することをおすすめします。
執筆:遠山 真由美(大阪市北区南森町)
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