トラブルが予想される 相続の準備 には遺言書の作成が効果的です。
遺言書と聞くと皆さんは、どのようなことを思い浮かべるでしょうか?
「まだまだ先の話だからそんな考える必要ない」「亡くなった後のことなのであまり考えたくない」「うちは遺言書なんて書く必要ない」など様々な意見があるかもしれません。
ただ、相続になった時、残された相続人にとっては遺言書がない為、大変な想いをしてしまうというケースも増えています。今回は争族にならないための相続の準備として遺言書が必要な方はどんなケースか、についてをまとめていきます。
遺言書がない場合
遺言書がない場合、相続後に、法定相続人間で財産を分けるために遺産分割協議を成立させることが必要です。この内容を記載した遺産分割協議書がなければ、不動産の登記・預金の解約などの相続の手続きが出来ません。なお、一部の相続人を除外して遺産分割協議書を作成してもそれは無効となります。
このように、遺産分割協議には、分割内容について法定相続人全員の同意、全員の実印の押印、全員の印鑑証明書の添付が必要です。
遺産分割事件数について
上記のとおり、遺言書がないなど相続の準備ができていない場合には、相続後の法定相続人の全員同意が必要になるわけですが、ここが争続となってしまうポイントです。
下の表は、遺産分割の際、裁判を起こした件数となります。平成12年当時では8,889件でした。それが年々増え続け平成30年では13,040件となりそれ以降1万件を超える裁判が行われています。
遺言書の大きな目的としては、自身が残す財産の処分を決めることであり、家族・親族内でのトラブルを回避するという点があります。その意味で、遺産分割協議でもめそうなケースを中心として、相続の準備 には遺言書の作成が有効だということになります。
相続の準備 で遺言書が必要なケース
遺言書が必要なケースを大きく分けると以下の3つに分かれます。
1 法定相続人の中での配分を決めるケース
遺言書は遺産分割協議より優先されます。そのため遺産分割協議を経ずとも「妻にすべての財産を相続させる」と遺言書に残すことにより原則としてその望みがかなえられます。また相続人同士の仲が悪かったり、援助の必要な家族がいる、不動産が多い・会社を経営している方にも、相続時のわけかたを本人が決定して相続人間の不要な衝突をさけるなどに効果的です。
このように遺言書がない場合に相続人間で相続後にもめて遺産分割協議が成立しない可能性がある、または、争いが起こることで相続後に不仲になる、などへの準備として、遺言書の作成は極めて重要な相続の準備となります。
2 法定相続人以外に遺産を残したいケース
戸籍上の婚姻関係・血縁関係がない人は法定相続人になることはできません。例えば事実婚のカップルや、良くしてくれた婿や嫁・友人などです。
このような法定相続人でない方に相続財産を残すためには、遺言により遺贈することが必要です。
3 法定相続人が行方不明・不存在のケース
① 行方不明の場合
法定相続人が行方不明の場合、相続人全員揃ってないので全員の合意がないため遺産分割ができません。そのため、家庭裁判所にて失踪宣告などの手続きが必要となります。遺言書を書いておけばこれらの手続きが不要となります。
② 法定相続人がいない場合
相続発生時に財産は全て国に帰属されるので、お世話になっている方や友人などに遺言書を作成しておけば遺贈できます。自治体や慈善団体にも遺言により寄付することは可能です。
まとめ
最近では終活・エンディングノート等、耳にすることも多く遺言についての関心も高まっています。遺言書は後に残された家族や親族の争族(揉め事)を回避することができますが、一番の目的は、財産を引き継ぐと同時に故人様の意思(想いを引き継ぐ)ことではないでしょうか?
市川税理士事務所では、遺言書の作成支援を通じた 相続の準備 をはじめとして、さまざまな相続の準備を支援しています。まずは相続スキャンで相続の準備の方向を考えてみませんか。気になることがありましたらお気軽にお問い合わせ相続の準備に強い税理士のノウハウを是非活用してください。
執筆:税理士 市川欽一(大阪市北区南森町)
(制度は投稿時点のものになりますので、ご注意ください)
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