相続税額を”パッと試算”

相続税額を簡単に計算する方法はないですか?というご質問をよく受けます。

今回は相続税の早見表をつかって、相続税額をパッと試算する方法を書きます。税額の出し方と夫婦の相続税の概算計算までをやってみましょう。

ただ、早見表での限界もあるので、留意点まで簡単に書いてみます。

相続税の早見表をつかいます

二つの相続パターンでつかう早見表が別々にあります。

一次相続は、ご夫婦のうちに一方に相続があった場合のパターン、
二次相続は、一次相続後に残った方に相続があった場合のパターンです。

一次相続用の早見表

表の使い方は簡単です。

まず、相続財産がいくらくらいあるかをアバウトに計算します。
相続財産の金額(横)と法定相続人(配偶者+子供が何人いるか)の数(縦)が交わるところが相続税額の総額(全相続人合計)になります。

例えば、相続財産7000万円で配偶者+子ども3人の場合には、交差点である80万円が相続税額になります。

税額の前提は、法定相続人が法定相続割合で相続し、配偶者は配偶者控除を適用したものとしています。

二次相続用の早見表

※一次相続で配偶者控除を使わないときは、法定相続人(こども)に
配偶者を含めることで、こちらの表を使用できます。

表の使い方は同じです。

相続財産の金額と法定相続人の数の交差点が相続税額の総額です。

結論 夫婦で相続税がいくらなの?

上記の早見表を使えば、一回ごとの相続税額はわかります。

夫婦のシミュレーションをする場合には、二人別々に二段階で考えます。

一次相続の相続財産の半分は、配偶者に相続されていることになりますので、二次相続ではその分(一次相続財産の半分)を足して相続財産の金額としないと相続税が過小にシミュレーションされるので注意が必要です。

例:父(財産6000万円)、母(財産2000万円)、こども1人

一次相続(父)で、相続財産6000万円と配偶者+1名の交差点90万円が相続税額です。ここをもう少し細かく書くと、母3000万円、こども3000万円で相続を受け、母は配偶者控除で相続税は0だが、こどもは90万円の相続税が発生するよ、ということになります。

その後、二次相続(母)の場合、母の相続財産は2000万円だけでなく、一時相続の3000万円を受けていますから6000万円となり、こども1名との交差する160万円が相続税として発生します。

そのため一次相続90万円+二次相続160万円の合計250万円と試算されます。

気をつけないといけないこと

相続税の総額シミュレーションは上記のようにできますが、あくまでも早見表は標準的な計算で、相続のやり方で税額が早見表と大きく異なります。

特に、一次相続の配偶者控除は税金がかからないので有利、ということが多いですが、常に一次相続で配偶者控除が有利だとは限らない、という点には注意が必要です。

例えば、さらに、今回のケースで一次相続を法定相続分ではなく全額を子供が相続していたら、どうなったか?

一次相続で配偶者控除を使わない場合、二次相続の表で相続財産6000万円で法定相続人の数2名をつかいますので交差点をみると180万円になります。
二次相続では、母は相続財産2000万円だと相続税はかかりませんので、一次相続+二次相続で合計180万円の相続税ですみますので、法定相続分で相続しない方が税金的には得だということになります。

このように、あくまでも早見表はイメージをつけるためのものです。

相続のやり方によって、相続税が高くもなったり、安くもなったりしますので注意が必要です。

このような相続シミュレーションについて、気になる方は、市川税理士事務所までご連絡ください。大阪だけでなくネットで全国のweb相続にも対応しております。

(税制は投稿時点のものになりますので、ご注意ください)

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