2026年9月24日から国税の組織内で新たに運用予定されているKSK2により、税務調査が大きく変わろうとしています。
現行のKSKシステムの限界を超え、税目横断・出先からのアクセスが可能となり税務調査のスピードと精度が大幅に上昇すると言われています。
KSKシステム(国税総合管理システム)とは?
現行、国税組織には、KSK(国税総合管理システム)があります。
全国の国税局(12か所)と税務署(524か所)をネットワークで結び、国民の申告や納税情報、それ以外の税務に関わる情報を入力することにより、一元的に管理・分析して税務調査や滞納整理に活用する国の情報一元管理システムです。
KSKシステムの歴史
そんなKSKシステムですが、2026年9月に次世代のシステム「KSK2」の運用が開始されます。
このシステムは平成7年(1995年)1月から試行され、平成13年(2001年)11月に全国へ導入が完了しました。
KSK導入前は、書類は手書きで作成し税務調査の資料情報についても紙ベースで管理されていましたが、システム導入により、処理がオンライン化され紙が少なくなったことはもちろん、各税務署間での情報共有がスムーズになり事務処理の効率が上がりました。
導入から20年以上経過しているため、20年以上の納税者情報が蓄積されていることになります。
新システム導入により、何が具体的に変わるのか?
○税目ごとにバラバラだった情報から一元管理が可能(縦割りから横断的に統合)
今までは法人税や相続税などの科目別にデータ管理されていましたがKSK2により、複数の税目を横断管理が可能となります。
法人名や個人のマイナンバーに基づき、税目の情報に全てアクセスできるため納税者の全体像を把握できます。
例えば法人税の役員報酬と相続税の個人の財産の整合性等をすぐに確認でき分析も効率的に行うことができます。
○情報管理 紙ベースからデータ化へ
データへ移行するため税目の縦割り管理が解消されます。
紙からデータにするため、各種申告書がAIを活用した自動読み取りシステム(AI-OCR対応)となるため確定申告書等の様式が変わる予定です。今まではOCR申告書で基本的に数字を読み取りしていましたがAI-OCR対応になると、これまでOCR申告書では対応できなかった手書き文字や異なるフォーマットの読み取りを可能としました。
またe-taxとの位置づけも変わります。現状、e-taxとKSKは別々に独立したシステムでした。
KSK2は、このe-taxを組み込むことになり、内部事務の効率化が期待できます。
○調査先からKSKへ直接アクセス可能
調査官が調査先からKSK2にアクセスできることで、その場で資料情報を確認できるようになります。
しかし、どの程度アクセスできるかの仕組みやルール作りは難しくインターネットへつながるリスクもあるため手探りの運用になると思われます。
○外部データの取り込みが可能となる
KSKシステムは取り扱うデータの機密性から外部と隔離されていましたが、新システムではインターネットから外部データを取り込み調査活用される予定です。
例えば、金融機関の預貯金照会・地方とデータ連携が行われます。
新システムによる同族会社への影響は?
法人の9割以上が同族会社であることから、KSK2の導入の影響を最も受けるのではないか?と考えられています。
一族で経営する会社の法人税・社長や親族の所得税・相続税・贈与税の総合管理が可能となるためです。
現在でも、法人税・相続税・所得税等の複数の税目にわたり網羅的・横断的に実施する総合調査は行われていますがKSK2の導入により今まで以上に総合調査が強化されるでしょう。
KSK2導入におけるまとめ
KSK2の導入により下記の変化がおきます。
①税目ごとの縦割り管理から横断的に一括管理
②情報管理が紙からデータへ
③税務署内部事務中心から現場でリアルタイムに情報の共有・確認が可能
➃外部データの取り込みが可能になる
特に縦割り管理から、横断的な一括管理により調査先の選定や調査の精度が上昇するでしょう。
最後に
今回は、国税に新たに導入されるKSK2についてまとめました。
これから求められる相続の準備は、事業内容や収入状況、取引実態、税目間の整合性を整理し
準備していくことが必要となります。
執筆:遠山 真由美(大阪市北区南森町)
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