遺言 は相続の準備 には効果的という話の第二弾です。
前回は、遺言が必要な場合について投稿しました。自分が遺言を残す必要があるかどうかを知ってから相続の準備をすることで、残された相続人間の不要なトラブルや手続きを避けることが可能となります。
今回は遺言とは何か?どのようなことが書けるかなど、法律的な効力のある「遺言」で決めることができる項目についてまとめています。
遺言 とは何か?
「遺言」は「いごん」と読まれたり「ゆいごん」と読まれたりすることがあります。法律の専門家は、法律上の効力がある遺言をさして「いごん」、法律上の効果は別にして一般的に遺言者が意思を残したものを「ゆいごん」という呼び方をすることが多いようです。ただ、いずれも遺言者が自分の財産などについて自分の意思を生前に表明したものです。
法律上の効果のあり・なしについて説明を加えておきます。遺言者の死亡により相続が発生しますが、その後、遺言の内容が明らかになったとしても、そこに記載された内容は、亡くなった被相続人の意思によるものかどうかを誰も確認することはできません。よって遺言の方式を民法で厳格にし、この法律に定める方式に従って行われる場合、その遺言の内容は法律的に保障されるのです。
逆に民法に従ってない場合は効力がありません。相続人の一人が「被相続人は、亡くなったら土地を私に全部相続させると言っていた」と主張しても効力がないのです。いくら亡くなった方の意思であったとしても法律上の遺言にはなりません。
遺言 の法的効力が認められる事項
遺言を実際残そうとすると「相続になった時のために、財産の分け方について書くものだ」と思う方が多いと思いますが、財産の分け方以外でも色々なことを書くことはできます。ただし、法律上の効果が認められているのは下記に規定されている事項などに限られています。(代表的な項目)
<身分に関する項目>
- 認知の場合の対応
- 未成年後見人・後見人監督の指定
<相続に関する項目>
- 相続人の廃除・廃除取消
(推定相続人が被相続人を虐待・非行を行った場合相続する資格を奪うことができます。) - 相続分の指定・指定の委託
- 特別受益の持戻しの免除
(被相続人が生前、特別な贈与を与えていた人がいれば、生前贈与分を相続財産に計算上戻すことを持戻しといいますが被相続人が特定の相続人を特別扱いする意思で贈与していた場合持戻しを行わないことを遺言できます。) - 遺産分割の禁止
(相続開始から5年を限度として遺産分割を禁止できます。) - 遺言執行者の指定・指定の委託
<財産処分に関する項目>
- 包括遺贈・特定遺贈
- 一般社団法人の設立のため寄付
- 信託設定
<その他>
- 祭祀承継者の指定
- 生命保険金受取人の変更
- 遺贈
<付言事項>
上記のような法的な効力がない事項で「感謝の気持ち」や「遺言の動機」なども遺言に書くこともできます。これを付言事項といいます。
遺言 の効力のまとめ
以上のとおり遺言は、法的な効力を持つ項目が民法で定められています。また、法的効力はありませんが、付言事項として葬儀関係でこのようにしてほしい、またお世話になった方々へ感謝の気持ちを伝えることができます。
まとめ
相続の準備をする中でも重要なものが遺言です。ただ遺言を書こうとしてもどんなことを書いたらいいのか?法的に実行されうるのか、など色々迷うことがあると思います。我々は、相続スキャンにより今できる相続の準備を整理しています。具体的な「相続の準備」や「相続の対策」の実行も支援していますので、気になることがありましたらお気軽にお問い合わせください。
執筆:遠山真由美(大阪市北区南森町)
(制度は投稿時点のものになりますので、ご注意ください)
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