2023年7月3日に国税庁サイト上で令和5年分の路線価等が公表されました。
全国で 路線価 が一番高いのはどこ?
国税庁は7月3日に相続・贈与の申告に必要な2023年度の路線価を発表しました。全国平均は昨年より1.5%上昇しました。
令和5年分の路線価の最高額は、38年連続で東京都の中央区銀座5丁目 文具店「鳩居堂」前で4,224万円/㎡でした。昨年の4,224円と比べ1.1%上昇しています。
都道府県別では、地方を中心に25都道府県で上昇しました。前年の20都市より多く上昇しています。
上昇率のトップは去年と同じく宅地需要のある北海道が、昨年の4.0%から6.8%で最も高く、ついで福岡4.5%(去年3.6%)、宮城4.4%(去年2.9%)です。
関西の 路線価 はどうなっているの?
関西全体の動向
2府4県全体の路線価は2022年と比べプラス0.7%となり、前年(マイナス0.2%)から上昇となりました。プラスとなったのは3年振りです。近畿の2府4県の83税務署で最高価格が上昇したのは52と前年の21から大幅に増加しました。
府県別では大阪がプラス1.4%、京都がプラス1.3%となりました。大阪・京都の上昇は2年連続となります。
兵庫は0.5%の上昇で、4年ぶりにマイナスを脱しました。滋賀は22年にマイナス0.8%だったが、23年は横ばいとなりました。
奈良は0.2%の下落、和歌山県は1.2%の下落だったものの、両県とも前年に比べて下落幅は縮小しました。
関西で一番高い 路線価 は?
近畿の税務署別最高路線価で最も高額だったのは大阪市北区角田町の阪急うめだ本店前です。1.3%増の1,920万円(1平方メートル)となり、40年連続でトップを維持しました。
今回の路線価における特徴はコロナ禍後を見据えた商業地への投資回復と思われます。近畿で最も上昇率が高かったのは、10.8%増となった京都市右京区西院高山寺町の阪急電鉄西院駅前でした。
このエリアは4月にビルの高さ制限が緩和されたことで、今後さらに人が集まると見込まれています。
大阪市の状況
大阪市の繁華街であるキタやミナミでの不動産需要も戻りつつあります。うめきたでの再開発が進むJR大阪駅北側に位置する北区大深町では1.4%上昇しました。
22年はマイナス10.6%と近畿で最大の下落率だったミナミの戎橋(えびすばし)ビル前(中央区心斎橋筋2丁目)は、去年のマイナスから今年、横ばいとなりました。
また、大阪・関西万博への期待から、JR弁天町駅周辺に位置する大阪市港区弁天1丁目は10%上昇しました。こちらは、会場の人工島・夢洲(ゆめしま)への乗換駅となるため、ホテルなどの開発が数年前から進んでいる地域です。
今後の動向
テレワークの普及による在宅勤務の増加などを受けて住宅地への需要も上がっています。戸建て志向が高まっていることもあり、県全体ではマイナスとなった奈良ですが、利便性の高い地域では路線価の上昇がみられます。
関西では大阪・関西万博や統合型リゾート(IR)による顧客の増加期待など好材料が多くなっているため、今後も大阪は地価の上昇が続くと思われます。
まとめ
今回は、路線価についてまとめました。路線価は、相続や贈与の際、土地の評価基準となります。
先代から受け継いだり、ご自身で購入された土地がどのくらいの価格なのか?現時点で確認してみるのものいいかもしれません。
どうすればご自身が一番よいと思う形で不動産を引き継いでいけるか?
不明な点があれば一度専門家に相談することをおすすめします。
執筆:遠山真由美(大阪市北区)
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